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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    お盆になると思い出す事 <part2>

    DSC05366 文字入り ブログ用

    今から13年前に書いたこのブログで祖父に2時間説教された話をしたが、今日はその祖父のお話し。


    三重県で生まれ育った祖父であったが、戦時中は動員が掛けられ九州の炭鉱で働いていた。

    やはり戦時中という事もあり、かなり過酷な労働環境であったらしい。

    場所や時期によってもやり方は違うと思うのだが、祖父の場合は1日働いて1日休むという繰り返しだったとの事。

    そんな中、炭鉱仲間の一人が『体調を崩してしまったので当番の日を変わってもらえないか?』と申し入れをして来たのだ。

    その申し出を引き受けると連続での労働勤務となる訳だが、祖父は身体も屈強で面倒見も良い性格であったので、それを快諾したのである。

    そしてその2日後、惨事は起きてしまった。

    祖父の連続勤務の後、仲間は復帰したのだが・・・・本来、祖父が行く日であったその日に落盤事故が起き、その仲間は亡くなってしまったのだ。

    もし、仲間の体調が崩れる事がなければ、そしてもし連続勤務はきついからと当番の交代を断っていたら・・・・亡くなっていたのは祖父であったのだ。

    実はこの話は祖父から直接聞いた話ではない。
    母から聞いた話なのである。

    祖父としても色々と思うところがあったのであろう。

    『この時祖父が亡くなっていたら私も生まれていなかった?』・・・と一瞬思ったが、年代を調べてみるとこの炭鉱での落盤事故の時はすでに私の母は生まれていたのだ。

    とは言え、この時代の事を思うと父も母も祖父も祖母も無事に生き抜いた事が奇跡。

    今はもうみんな亡くなってしまったが、この繋いでもらった大切な命・・・次の世代の礎となるべく日々悔いのないように生きて行こうとあらためて思う。

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    1. 2023/08/15(火) 11:07:07|
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