彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    この作品の芯棒って・・・!?

    妖精卵 空―風(少し上から撮影) 松田光司作
    お客さんからの質問シリーズ・・・もう第何弾になるのやら、・・・今回はこんな質問。

    「この作品(妖精卵 空―風)の芯棒って、どうやって作ったんですか?」



    この質問をされるお客さんというのは、たいてい私と同業者か、もしくは造形を少しでもかじった事のある人。

    まあ上写真を見て頂ければ分かる通り、こんな薄くて不安定な形の作品の原形を粘土でつくると考えた時、・・・『さて、どんな芯棒をつくればこの形が出来るんだ?』・・・と、まあ不思議に思ってしまうのも当然な事かもしれない。


    さて、あまりもったいつけて話すような事でもないので、あっさりと答えを書いてしまおうと思う。

    実はこの彫刻の芯棒、呆れるくらいシンプルで単純な形なのである。

    間違っても細い針金を駆使して繊細な作り込みをしなければいけないようなデリケートな芯棒ではないのだ。


    最初の基本形は「卵の形」。


    粘土では普通に中まで詰まった「卵の形」を制作するのである。

    その「卵の形」に対し人物像と布を巻きつけるように制作し、粘土付けしていくのである。

    したがって芯棒の形は完成した上写真の作品とは似ても似つかぬ下記写真のような芯棒となるのだ。

    卵形の芯棒 撮影 松田光司

    つまり、粘土状態の完成形と最終的な作品としての完成形は全く別な形なのである。

    さて、ここで思い出して頂きたいのだが('10.10.5ブログ参照)、石膏像の中味は基本的に空洞状態で完成されるのである。

    粘土で完成させた像も石膏取りを行い石膏像にしてしまえば中味は空洞となる訳である。

    そこで人物と布のみを残すようにし、卵の形に該当する部分をノコギリなどで切り取ってしまうのだ。

    するとかなり一番目の写真のような完成形に近づく訳だが、・・・当然、石膏像内側の形は石膏がただ流されただけの何もない形。

    これに対し、石膏を削る道具を使い、表の布表現と呼応するような形に内側も地道に削り出していく訳である。

    このようにして像は完成へと向かう訳である。


    簡単に言ってしまえば、外側は粘土の時に造形した形、内側は石膏像になったあと造形した形、

    ・・・という訳でこの彫刻の芯棒は呆れるくらいシンプルで単純な形で大丈夫なのである。
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    1. 2013/03/05(火) 16:29:05|
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