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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    離型が上手くいかないと、・・・。

    妖精卵―火(割り出し途中) 松田光司作「 妖精卵―火 」 (石膏割り出し途中)

    さて、このブログでもしょっちゅう登場する「石膏取り」・・・またこれについて少し書いてみたい。
    (まあ私も彫刻家なので頻繁に登場するのも当たり前か。)


    「石膏取り」・・・一応簡単に書いておくが、石膏取りとは、粘土で制作した作品を石膏の作品に移しかえる作業の事をいう。

    つまり、粘土で制作したものを石膏取りする事によって、全く同じ大きさの同じ形で石膏像として存在させる事が出来る訳である。


    さて、そんな中でも今日は「離型を効かせる」という事について書いてみたい。

    石膏取りで、どの作業工程も重要である事に変わりはないのだが、特にその中でもこの「離型を効かせる」という工程が上手くいかないと、せっかくの石膏取りもある意味台無しになってしまう事があるのだ。


    では「離型を効かせる」とは一体どういった事なのか?


    石膏取りというのは、石膏で作った外型に対し、同じ素材の石膏を内型として流し込んでしまう訳である。

    ‘ 石膏に対し、石膏 ’・・・という行為は何も細工をしなければピッタリとくっついてしまって完全に一体化してしまうという事を意味するのだ。

    しかし、外型石膏と内型石膏は後で綺麗に剥がれてくれないと、石膏像としての完成を見る事が出来ないのだ。


    そこで登場するのが「離型を効かせておく」という行為。


    まあ簡単に言ってしまえば、なんの事はない、「外型に石鹸水を2回塗っておく」というだけの事。

    実に単純な話なのだが、この工程を失敗するととんでもなく大変な目にあってしまうのだ。


    重要なのが、石鹸水に使用する石鹸の種類とその石鹸水の濃さ、そして石鹸水を塗った後の外型石膏に含まれる水分量、さらには内型石膏を流し込むタイミング。

    どれ一つとっても無茶苦茶重要で、一つでも失敗すると、出来あがった石膏像にかなりの修正作業を加えなければいけなくなってしまうのである。

    せっかくなので、具体的にどうなるのか書いておこう。

    ・石鹸の種類を選択し間違えると、・・・外型石膏と内型石膏が一体化してしまい全く剥がれない。(やはりカリ石鹸がベスト)

    ・石鹸水が濃すぎると、・・・出来あがった石膏像の表面が荒れてしまいボロボロに。最悪の場合、石膏像表面が硬化しない事もある。

    ・石鹸水が薄すぎると、・・・外型石膏と内型石膏が一体化してしまい無茶苦茶剥がれづらくなる。

    ・外型石膏の水分量が少ないと、・・・出来あがった石膏像の表面が気泡の穴だらけに。

    ・石鹸水がほどよく乾く前に内型石膏を流し込んでしまうと、・・・出来あがった石膏像の表面が荒れてしまいボロボロに。石膏の表面も微妙に柔らかくなってしまう事も。


    「離型を効かせる」という行為は、作業は簡単なのだが、やり方を間違えると本当に後からが大変になってしまうのだ。


    ちなみに何故私がこんなに具体的に分かるのかって・・・?

    ・・・それは、当然すべて自分の身に起きた事なので、・・・何事も経験ですよ。(笑)
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    1. 2012/04/09(月) 22:26:24|
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