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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    仮の価格?

    冬の木 撮影 松田光司

    さて、今日は美術作品とその価格について、以前とは少し違う観点から書いてみたい。


    美術作品というものは、美術の世界の中に存在している時、永遠普遍の価値を持ち、お金とはまったく無縁のもの・・・といった感じに捉えてしまう考え方もあるが、これを流通の世界に投じた瞬間にその美術作品は『商品』という名前に変わり、世の中に流通される事になるのである。

    当然、他の言い方や捉え方も出来るのだが、これも現実なのである。


    さて、ではお金とは無縁に感じられてしまう美術作品の価値、価格とは一体どういったものなのであろうか?


    これは短いスパンで考えた時、実はハッキリしていて、要するにその作家の年齢、経歴が大きく関与してしまっているのである。

    つまり、一度流通に乗ってしまった作家の場合、一定期間の中で傑作を出そうが駄作を出そうが極端に作品の価格が変わるような事はなく、いわゆる相場と言われる値段で流通する事になってしまう訳である。

    要するにこれは美術作品としての普遍的な価値を決めているものでも何でもなく、美術とは無縁の流通という別世界のルールの中、価値を決めているという事であり、それはある意味「仮の価格」の設定をしているに過ぎないという事なのである。

    作家が「この作品を公に発表しよう。」と決めた瞬間に、その作品が傑作駄作に関係なく相場通りの「仮の価格」が決定するという訳なのだ。


    これを短期ではなく、100年、200年といった長いスパンで考えた場合、今現在の流通価格などまったく意味をなさないものになってしまうのだが、結局その「仮の価格」をどう捉えるかは、観る側(買う側)の判断次第という事になるのである。

    流通の世界の価値観(価格)ではなく、美術の世界の普遍的な価値観で、作品の善し悪しを見極めたいものである。
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    1. 2011/12/15(木) 22:05:00|
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