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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    やっと見つけた一枚の写真。

    海 撮影 松田光司

    彫刻をつくっていると、どうしても制作する上において資料が必要な場合が出てきたりするのだが、・・・。


    もう15年くらい前の話になるであろうか。

    ある依頼仕事を受けた時に、人物像に付属するものとして貝殻をつくる事になったのである。

    まあ、数種類の貝殻が必要で、色々と手に入れたのだが、カキの貝殻は必ず入れてほしいと要望があったのだ。

    しかし、季節はずれであったため、どうしてもカキの貝殻だけは手に入らなかったのだ。

    確かにカキの貝殻は過去に何度も見ているし、さわってもいるのだが、・・・全く見ないでそれを彫刻として作り切ってしまえるほど観察した事はない訳である。

    そこで、実物が手に入らないならば、せめて写真だけでも手に入れようと思った訳である。


    ・・・ちなみにこれは15年前の話、・・・我が家にはまだパソコンなどある訳もなく、当然、インターネットという概念もよく意味も分かっていない頃の事なのだ。


    ・・・で、本屋をあちこち見てまわったのだ。

    ところが、カキの貝殻の写真が載った本が中々見つからない。

    図鑑や研究書、料理の本などを探したりしたのだが・・・やはり見つからない。

    ・・・と、あきらめかけていたところにようやくある一冊の本を発見、それは・・・・広島を特集した観光案内の雑誌であった。

    100ページほどある中の1ページに小さな写真が一枚だけ・・・それでも私にとって貴重なカキの貝殻の写真であったのだ。

    もし私が、カキの貝殻を一度も見た事がなければ、その写真だけで造形するのは難しい事だったのかもしれないが、過去に何度もカキの貝殻には触れていたため、その写真は充分役に立ってくれたのである。

    こうしてこの小さな一枚の写真のお陰で、無事、彫刻を完成させる事が出来たのだ。


    今回の話は、実物を求めて海にまで潜ったというような体験談でもなく、単なる写真さがしの街歩きの話であった訳であるが、とはいえやはり基本、足で歩いてかせぐという精神は決して忘れてはならないものであろうと思う。

    ネットは確かに便利なのだが、本当には何も見ていないし、何も行動していないし、何も体験していないのに、・・・その事柄についてそこそこ話す事が出来てしまうという怖さがあるのだ。

    やはり、・・・実体験した人の言葉や行動には、何とも言えない説得力があるものなのだ・・・と私は思う。
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    1. 2011/11/10(木) 09:29:46|
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