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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    流れを感じ取る。

    制作中の塑像 松田光司作現在制作中の作品。  素材 : 粘土

    1枚の布シリーズを制作するようになってから、以前より強く意識するようになった事柄がある。


    それは、造形における流れの美しさ。

    一つの彫刻をつくろうとする時、そこには何かしら大きな主題のようなもが必ず存在する訳であるが、それが一枚の布シリーズの場合、特に布の流れの表現が重要な事項となってくるのである。

    正直言うと、一枚の布シリーズ1作目では、その流れと言う事に関してそれほど意識していなかったのである。

    どちらかと言えば、リアルな布表現を目指しており、そうする事によって、中の人物像がより鮮明に強くその存在をアピール出来る事を一番の目的としていた訳である。

    つまり布はメインではなく補助としての存在であったのだ。

    しかし、このブログでも何度もふれている通り、この一枚の布シリーズも回を重ねるごとに、どんどん布表現の世界へと進んで行き、布も単なる補助とは言えなくなっていった訳である。


    つまりそれは、「観察してつくっていた布」から、「まったくの創作でつくった布」への変化。


    面白い事に、布を観察しながら制作している時は、多少不自然な流れがあっても気付かなかったりしていたのだが、創作で布をつくるようになってからは、ちょっとでも不自然な流れがあると、すぐ分かるようになっていったのである。

    その一部の不自然さは、そのまま作品全体に影響を及ぼしてしまうのだ。

    当然、布表現の彫刻でなくとも、「部分」が「全体」に与えてしまう影響と言うのは必ずある訳だが、流れやつながりで見る傾向の強い布表現彫刻の方が、よりその影響を感じ取りやすいという事なのであろう。


    さて、こんな感じで一枚の布シリーズ制作の時には、「流れ」というものに意識を集中する事が増えていった訳であるが、すると面白い事に、布表現の作品ではない時でも、そこで鍛えられた感覚が力を発揮してくれるようになっていったのである。

    もともと彫刻にとって、「流れ」というのは重要な要素の内の一つである事に間違いはないのだが、一枚の布シリーズを長く続ける事より、あらためてその重要性を再認識する事が出来たのであった。


    ・・・ 一枚の布シリーズは、今日も続く。
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    1. 2011/11/02(水) 23:01:20|
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