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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    平均値とは?

    志(粘土・部分) 松田光司作「 志 」(粘土・部分)


    まず「平均値」について語る前に、11年ほど前「コンテ(いわい美術振興協会会報誌)」より依頼され、私が執筆した文章から抜粋したものを紹介したい。



    「作品をつくる時、他人のことなど一切考えず、自分の世界に没頭し、自分の内側を深く深く探求していけばいくほど、その作品は逆に、多くの人の共鳴するものとなるように思う。
    普通、考えてみると、いろいろな人のいろいろな意見を聞き、それをより多く取りいれた方が、多くの人に共鳴するような気がするが、実際そうではない。
    平均値のような『物、形』平均値のような『思想、考え』というのは本来存在しないのだ。
    だからそういったものが魂の奥底をゆさぶることはない。
    そう考えた時、より魂の深い所に到達した作品こそ、より多くの人をより深い感動に導く事が出来るのだと思う。」

    この「平均値は本来存在しない」という事について少し補足しておきたい。
    分かりやすくするため、極端な例を出してみる。

    「あるグループは熱々のスープが好み、もう一つのグループはシャーベット状になるくらい冷たいスープが好みだとする。
    では両グループに飲んでもらうために平均値をとって生温かい微妙に冷めたスープを出したらどうなるであろうか?・・・当然、誰も飲まない。」

    極端な例ではあるが「平均値」というのはこんな存在なのである。

    多くの人の意見を集約したような作品というのは誰もけなす事のない無難なものが出来上がるかもしれないし、そこそこは売れるであろう。

    しかし私自身はまったくそんな物に興味はない。人の意見に耳を貸さないつもりもないが、自分の信念を曲げる気もまったくない。

    私は私のやり方で進んでゆくのみである。
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    1. 2010/05/23(日) 09:20:15|
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