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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    テラコッタ作品。

    みこと(部分・テラコッタ) 松田光司作「 みこと 」 (部分) テラコッタ作品

    テラコッタ作品の事は以前にも何回かこのブログでふれているが、このテラコッタとは粘土を800度前後の温度で焼いた作品の事である。
    また、この温度で焼かれた状態のものを素焼きとも言う。

    分かりやすい例で言うと、埴輪や土偶、土器、最近ならば鉢植えの鉢などがテラコッタ作品と同じような焼成状態であるのだ。

    当然、素焼き状態という事は、普通に本焼き(千数百度の温度)で焼いた陶器と比べ、柔らかくもろく割れやすい訳である。

    しかし、テラコッタ作品の場合、あえて本焼きをしないのである。
     (*注・・・作家によっても違う)


    では、彫刻において何故、このテラコッタという状態が作品として完成された物とみなされているのであろうか?


    ・・・と言っても正直、他の彫刻家の答えを知らないので、私はこう思っているという事しか書けないのだが・・・(まあ、いつもの事ということで勘弁を)。

    私が思うにテラコッタの良い点は、やはり塑像制作時の印象にもっとも近く感じるところであろうか?

    実際、形も「土→石膏」とか「土→プラスチック樹脂」のように素材を置き換えるという事もなく、「土→土」そのままな訳である。

    すると当然、土としての柔らかそうな感じとか、粘りのある感じとか、伸びやかな感じとか、温かみのある感じとかそのままストレートに残される事になるのである。

    ・・・ならば、本焼きしたとしても土は土なのでは?・・・と思うかもしれないが、やはり本焼きしてしまうとテラコッタ(素焼き)の状態とは別物になってしまうのである。

    当然の事として、本焼きは本焼きならではの良さがあるのだが、今のところ私の作品では本焼きしたいと思える作品は制作していないのだ。

    さて、では素焼きと本焼きの違いとは、・・・
    まあ色々あるのだが例えば、色が濃くなってしまう事、表面に少しガラスっぽいつやが出てしまう事、そしてさらに縮んでしまう事・・・等々。

    簡単な言葉で言ってしまえば、何となく素朴な雰囲気が消えてしまうといったような事であろうか。

    やはり作品の魅力という観点からすると、素焼き状態が一番いい感じに見えるように思うのだ。


    彫刻には実に様々な素材を使うのだが、木には木の良さ、ブロンズにはブロンズの良さ、石には石の良さというものがそれぞれにある訳である。
    そんな中でも、テラコッタの良さというのはまさに作家の手跡(指紋までも)がそのまま残されるというところにあるのではないか。

    さて、まあこんな事も考えつつ、焼成のための準備の続きをまた始めるとしますか・・・。
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    1. 2011/10/20(木) 18:22:08|
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