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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    スタッフ。

    石膏像の内側 撮影 松田光司石膏像の内側。

    スタッフといっても、働く人の事ではない。
    ここで言うスタッフとは、石膏取りの時に使う石膏像補強用の素材、マニラ麻の繊維の事である。


    石膏像というのは、外側から見ると石膏だけで出来ているように見えるが、実際は像の内側全体にこのスタッフを張り付ける事により丈夫な状態にしているのである。

    当然、石膏なので落とせば砕けるが、このスタッフを張る事によって花瓶が割れた時のように粉々になってしまう事を防ぐ事が出来るのである。

    あと、もう一つの特徴として、石膏が薄くても平気になるのだ。

    もし、スタッフを張らずに石膏だけである程度の強度を保とうとすると、石膏の厚みもかなり分厚くしなければならず、結果として結構重たいものになってしまうのである。

    このように石膏像を補強する意味においてスタッフを張るというのは、とても理にかなった事なのだが、・・・・

    実は私は、よほど大きな作品でもない限り、スタッフを使わない。


    何故か?


    その理由は私の制作のやり方にあるのだ。

    以前から書いている通り、私は彫塑作品を石膏取りして石膏像にしたあとも、さらに制作を進めていく訳である。

    つまり、それは石膏をつけたり削ったりする事を何度も繰り返していくという事。

    石膏をつける時は特に問題がないのだが、削る作業の時にスタッフが出てきてしまうと、ものすごく削りづらくなるし、しかも削った後の仕上がりも綺麗に行かないのだ。

    という訳で、初めの頃は、削る事を想定して石膏を分厚くした後、そこにスタッフを張るようにしていたのだが、どうにもこうにもそれでは重くなり過ぎてしまうのである。

    しかも、場所によってはやはり削っているとスタッフが出て来てしまう箇所もあったりする訳である。


    ・・・ならばいっその事、スタッフを無くしてしまえという事になったのだ。


    どうしても補強が必要なところは部分的にスタッフを張ったり、針金を入れたりして対処すれば、全く問題がない事も色々試すうちに分かっていったのであった。

    確かに石膏像を落とした時には、バラバラに割れてしまうが、結局スタッフを張った石膏像の場合でも部分的には砕ける訳で、直す手間はどちらもかかる訳である。


    今日の写真は石膏像の内側を撮ったもの、・・・当然、内側にスタッフは張っていない・・・しかし後から制作しやすい事の方が私にとってはもっとも重要な事であるのだ。
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    1. 2011/10/05(水) 23:36:48|
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