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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    一気に進む瞬間。

    パーキングにて 撮影 松田光司

    私の作品制作数は、1年を通せば20~30点ぐらいになるのだが、以前にもふれた通り、決して一定の割合で私から出て来てくれる訳ではない。('11.5.22参照


    ある時は信じられないくらいのペースで出て来る事もあるし、ある時は全く出て来ない事もあるのだ。

    このように作品数の出方には波があったりする訳だが、実は、一つの作品制作の中だけで見た時も、コンスタントに一定の進み具合で作品が完成していく訳ではないのだ。

    何を悠長な事をやっているのだ、・・・と言われてしまいそうだが、その制作中の作品を前にしながら、まったく手が出せず、ただただ眺めているだけという状態が普通によくあるのだ。

    前にも書いた通り、実際には何点も同時制作しているので、そんな時は他の作品に手をつけたりするのだが、それは自分の中で、何かが熟成し、何かが見えて来るのをじっと待っている状態でもある訳である。


    ・・・で、インスピレーションが降りてきた、という訳でもないのだが、何の前触れもなくある時突然、目覚めたように今まで手が出せなかった作品に、一気に手が入る瞬間があったりするのである。

    表面的な見方だけすればその進み方たるや、それがたった1時間の仕事量であったとしても、それまでの1週間分の仕事量に相当するくらい進んだように見えたりするのである。


    確かにこの手を入れる事の出来ない時間がなくなれば、作品もあっという間に完成するはずなのだが、・・・
    実はこの手を出せない時間こそ、もっとも重要で大切な時間であったりするのだ。


    特に私のような具象作品というのは、「これは手の形、これは耳の形、これはあごの形、・・・」といったようにものの形の説明をする事によって作品として成立させていく訳だが、・・・

    それが、単なる説明的な形だけで終わってしまうのか、それとも何かを訴えかけるような形になるのか・・・
    この「手を出せない時間」というものがそれを決めているように思うのだ。


    作品を制作する上において、ただ時間をかければいいのだとも思ってはいないが、かといってやはり最低限必要な時間というのもあるものだ・・・と私は思う。
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    1. 2011/09/28(水) 20:30:36|
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