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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    粘土。

    赤信楽粘土の皿 松田光司作

    彫塑作家にとっての必需品、粘土について・・・と言っても、特に披露できるような深い知識もないのだが、・・・。


    私は今、主に二種類の粘土を使っている。


    一種類目の粘土は芸大の彫刻科の頃からずっと使っている彫塑用粘土。

    この粘土は、東京の高橋粘土店で販売しているものである。

    彫塑用と言われるだけあってとても使いやすい。
    きめも細かく、粘りもあり、くっつき具合も丁度いいのだ。

    私が学生の頃、助手の人から聞かされた話では、明治の頃、西洋彫刻に学べという時代に、当時の彫刻家が彫塑用として使いやすい粘土の配合を研究し、やがて完成したものが粘土屋さんに伝えられて今に至っているとの事。
    (確かにこのように聞いていたのだが、ネットで調べても特に情報が出て来ないので、もし違っていたらすみません。)


    そしてもう一種類の粘土は、一般にテラコッタ用粘土と言われている赤信楽粘土。

    この粘土は、明星大学非常勤講師をやるようになってから知った青梅市の陶芸材料屋さん「民芸の北原」で購入している。

    やはり最終的に焼く事を目的とした焼き物用粘土ではあるのだが、彫塑用としても使いやすく、この粘土で彫刻を制作していて不便を感じた事はない。

    二つの粘土の違いを挙げるとするならば、きめの細かさと粘りであろうか。

    彫塑用の方がきめも細かく粘りも強いのだ。

    しかし、作品の完成度をあげる上において、その事が特に決定的な差をもたらすような事は決してない。

    どちらも作りたい形を自由自在に造形出来る素材であるのだ。

    単純に私の中での使い分けの基本は、
    ・・・作品の焼成をする事を考えた場合は「赤信楽粘土」。
    ・・・石膏、ブロンズにする場合は「彫塑用粘土」。


    ちなみに粘土の保管方法だが、大学の頃と今とでは全く違う。

    大学での保管方法は大きな水槽のような所(粘土槽)にまとめて粘土を入れておくというもの。
    したがって粘土を使うとなったら粘土槽いっぱいに水を溜め、その後時間をかけゆっくり水を抜き、丁度良い固さにしておくのである。
    そして自分が使用する分だけ大きなスコップで各自掘り出して練り上げる訳である。


    正直ものすごく大変な作業であったのだが、当然私一人のアトリエではこんな面倒な事はしていない。

    20リットル前後のフタ付きバケツを用意し、そこに丁度良く練り上げた粘土を保管しておくのである。

    大きなスコップを使う必要も無く、移動させるのも楽だし、常に使いやすい固さの粘土が使える訳である。


    考えてみれば大学を出たあとすぐに買った彫塑用粘土ももう約20年、・・・何かの形になっては壊され、また別な形になっては壊され、・・・果たしてあとどのくらいそれが繰り返されるのであろうか?  
    ・・・粘土も本当にご苦労さま。
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    1. 2011/09/26(月) 19:09:05|
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