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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    父の趣味。

    春日井で見た空と稲 撮影 松田光司

    父の今の趣味は、畑で野菜を作る事。
    ・・・しかし、私の中では「うーん、そういう事なのかぁ。」という思いが少しある。


    以前にも書いたが、私がこの芸術家への道に進んだのは、父から受け継いだ血がおおいに関係している。('10.9.22参照

    父は若い頃、画家になりたいという夢があったのだ。

    若い頃描いたという絵を数枚見た事があるのだが、それはとても美しく素晴らしいものであった。

    父がうれしそうに言うには、「もっといっぱい描いたんじゃが、これよりいい絵から兄弟や友達がみんな持っていったでな。」との事。

    幼いながらに『これよりいい絵ってどんなにすごい絵だったんだろう?』と思ったものである。


    まあ、こんな感じであったので、父はブロック職人として働きながらも、暇を見つけては鉛筆デッサンや水彩画などを描いていたりしたものなのだ。

    確か父が50代ぐらいの頃であったと思うのだが、「仕事を引退したら、絵を描いたり木を彫ったりしながら過ごせたらいいなと思っている。」・・・というような事を言っていたのだ。


    ・・・で、実際60歳も越えそろそろ仕事も引退か、・・・という頃、唐突に「ガラスのパートドヴェールでもやってみたいなぁ」と父が言いだしたのだ。(パートドヴェール技法とは、砕いたガラスを型の中で溶かし形にするというもの。)

    私は『えっ!いきなりパートドヴェールって随分大変そうな事に興味を持ったなぁ』と思ったのだが、父にとっては老後の丁度良い趣味になるかもしれないと思い、色々調べて協力したのである。


    ・・・ところが、仕事もやめ毎日が本当に自由な時間になったとたん、パートドヴェールの事に関しては全く手をつけなくなってしまったのだ。


    で、一体何をやっていたかと言えば、・・・冒頭に書いた「畑で野菜を作る事」。

    そうなのである、・・・実は父の実家は兼業農家だったので、子供の頃から普通に農作業を手伝っていたのである。

    という訳で、畑仕事に関する知識は豊富で、あらためて誰かに習う必要もなく自然に入っていける世界であったのだ。

    結局、父にとって幼い頃から慣れ親しんだ「土をいじる」という行為が、もっとも楽しくもっとも癒しを感じる時間であったという事なのだ。


    今回、春日井でまた父と色々話したのだが、「お父さん、・・・パートドヴェールは?」と聞くと、「畑の方がやっぱり楽しいでな。」と、父は子供のようにうれしそうな顔をして笑っていた。
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    1. 2011/09/24(土) 20:21:52|
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