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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    空気が変わる瞬間。

    制作中の作品 撮影 松田光司

    彫刻を制作している最中の話である。


    私は、このブログでもさんざんふれているように、具象彫刻をつくっており、中でも主に「人物」をモチーフにする事が多い訳である。


    小さな作品だと、少し分かりづらい事もあるのだが、等身大の人物像を制作している時に、特に、ある事を感じるのだ。


    それは一体、何なのかと言えば・・・?


    ・・・・制作を進めていると、ある時突然、単なる粘土の塊から、そうではないものに変わる瞬間があるのだ。

    一番感じるのは、その粘土の形そのものからという訳ではなく、その粘土の周りから感じるのであるが、・・・その彫刻の周りに漂う空気感が一変するのである。


    私には、別に何か特別なものが見える訳でも何でもないのだが、・・・強いて例えるならば、その粘土のかたまりに魂が宿るようなイメージとでも言おうか?


    普通考えると、完成間近か完成後に、魂が宿るようなイメージがあるかもしれないが、実はそうではないのだ。

    実際、仏像などは、開眼式を行って初めて魂が入ると言われていたりするが、つくり手の私からすれば、明らかにそのタイミングではない。

    毎回、その空気が変わる瞬間は同じと言う訳ではないのだが、かなり早い段階で、その彫刻の雰囲気を決定づけるような空気感が醸し出されるのである。


    この空気感の事を言葉で説明する事は難しいが、・・・微妙に色が変わるような、空気が流れているような、・・・まあそんな感じであろうか?

    今までの経験からすると、空気感が一変した後、最後までその空気感が支配している事の方が多いのだが、たまに、その空気感が二転三転する事もあるのだ。

    その制作時の、私の精神状態にも左右されているのかもしれない。


    実際には、単なる粘土の塊に対し、一体何が作用し、何が起こっているのか分かるものではないが、この空気感が変わる事なしに、私が彫刻制作を終える事はないのだ。

    今、制作中の作品も、こんな事を感じつつ、完成に向かっていくのである。
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    1. 2011/07/31(日) 22:36:03|
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