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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    彫刻の芯棒。

    裸婦像の芯棒 撮影 松田光司
    裸婦像の芯棒。 (高さ 約80cm)

    さて、今日はよく考えてみたら、あまりふれていなかった彫刻の芯棒について書いてみたい。


    石や木の作品と違って、粘土で作品をつくる場合、大抵は粘土をつけるための芯棒というものを作る。

    小さい作品だったり、塊で安定感のある形の時は芯棒なしでも平気なのだが、複雑な形や大きな形の場合は芯棒がなければ、制作途中に作品が壊れてしまう事があるのだ。

    当然、つくる作品により、芯棒の作り方も全く違ったものとなる。


    今日は代表的な所で、人体像の芯棒について簡単に説明したい。

    人体像を制作する場合、まず必要となってくるのが、写真右側に見えている鉄のアングル(画材屋などで入手可能)、
    そして、小割(木)、シュロ縄(園芸コーナーなどで手に入る)、針金(8~10番線の太いもの)・・・基本的にはこんなところ。


    まず、アングルについてだが、
    粘土もつけていくと、かなり重くなるため、作品の後ろ側でアングルを使って芯棒を支えないと作品が倒れてしまうのだ。

    例えば、支えのアングルを使わず、足の芯棒に鉄筋などを使い、台と完璧に固定して二本足で立たせれば、すっきりとしてつくりやすいのであろうが、そのようにはしない理由もちゃんとある。

    芯棒をよく見てもらえれば分かるのだが、足の関節部分などは針金を上手く使い、動かせるようにしてあるのだ。

    つまり、粘土をつけていく中、バランスを見ながら足裏の接地面を動かしてしまうという事も想定しているのである。

    芯棒と言うのは当然、完成形をイメージして作らなければいけないものではあるのだが、ある程度の柔軟性は絶対必要なのだ。


    次にシュロ縄について、
    これは、他の縄やロープでも良さそうなのだが、昔から使われているのには、それなりの理由がある。

    まず、このシュロ縄というのは水を含ませると、少し伸びる性質があるのだ。それを利用し、伸びた状態で芯棒に巻きつける作業をおこなうと、シュロ縄が乾いた時に縮んで、よりきつく巻きついた状態になってくれるのである。

    また、別な観点から言うと、このシュロ縄というのは、粘土の食いつきがよく、粘土が剥がれづらくなるという事もある。


    あと、木に関しては特に注意点はないのだが、最低限、折れづらいものを使う事、・・・そして針金に関しては、必要な強度に合わせて太さや本数を変える事、・・・それくらいであろうか。


    基本的に芯棒の目的とは、制作途中に粘土が剥がれ落ちたりしない事、そして制作しやすい事、この2点をクリアーする事が大事なのである。

    あと付け加えておくと、意外と見落としがちなのだが、壊しやすい芯棒である事も求められる。

    粘土完成後には石膏取りの作業をしなければいけないので、その作業の邪魔になるようなガチガチの芯棒では困るのだ。


    さて、芯棒について、ざっと語ってみたが、またいつか芯棒の事については語ってみたいと思う。
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    1. 2011/07/01(金) 11:20:33|
    2. 彫刻
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    4. | コメント:0
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