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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    面白みもない時代に育った?

    6月の新芽 撮影 松田光司

    私が20代の頃、20~30歳くらい年上の人と話していて言われた事。


    「あなたは、何の面白みもない、何の経験も出来ないつまらない時代に育ったんだね。」

    まあ、そんな事を言われても自分のせいでもないし、返事に窮してしまったのだが、その世代の人達(というか、その人)からすると、私の世代は、時代として何も面白い経験を出来なかったかわいそうな時代の人達、・・・という事になってしまうらしい。

    確かに学生運動も知らないし、当然、戦争も知らないし、労働運動の盛り上がりも知らないし、・・・他にもその人は色々と語っていた気がするが、何しろその人が言う事はすべて経験していないのだから、まだ若造だった私はなんにも言い返せなかった訳である。


    しかし、流石にこの歳になれば思う事は色々とある。

    まず、当たり前の話だが、世代によって経験している事、経験出来る事は、違って当然である。

    言うまでもない事だが、私が子供の頃経験した事を、その人が子供の時は経験していない訳だし、私が青年時代に経験した事を、その人が青年の時には経験していないのである。

    さらには、私が当たり前に経験した事を、私の子供たちは経験しないだろうし、その人だってその親が経験した事を自分は経験していない訳である。

    結局、こんな事は言いだしたらきりがないのだ。


    確かに、熱い時代とか、冷めた時代とか、その時代それぞれ特有の雰囲気というのはあるものなのだが、私のようなつくり手の視点から見れば、現在も含め、どの時代でもありだし、どの時代でも面白い、・・・と感じるものなのである。


    要するに、熱い時代には、熱い時代の中でしか生まれない作品があるように、冷めた時代には、冷めた時代の中でしか生まれない作品も当然あるのだ。
    (当たり前の事だが、そこに作品の優劣などない。)

    結局、つくり手にとっては、どんな時代を生きたかではなく、その時代に何を感じ、何を受け取ったか、・・・という事の方が重要であるのだ。

    「何の面白みもない、何の経験も出来ないつまらない時代。」などと一方的に決めつけられても困るのだが、・・・

    ・・・しかし、

    この、今という時代を生きている私は、今しか出来ないものを、今つくれるという事、・・・それが、実は最大の強みであるのだ。
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    1. 2011/06/24(金) 20:44:42|
    2. 思想
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:2
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    コメント

    初めまして。

    自分を取り巻く時代や環境が自分を形成していって、昔の人や外国人、はたまた隣にいる兄弟とも違った思考回路や感性ができる。この記事を読んでハッとさせられました。しかし、やっぱり一昔前の激動の時代を経験していたらもっといい方向に自分の考え方など変わっていたのかなぁなんて思いました。
    1. 2011/06/30(木) 21:32:21 |
    2. URL |
    3. RIDY #-
    4. [ 編集 ]

    Re: 初めまして。

    はじめまして、コメントありがとうございます。
    一昔前の激動の時代が、いいのか悪いのか、それこそ人それぞれの感じ方だと思います。
    だけど確実に言える事はその時代にはもう戻れないという事。
    ですから、やはり、本文での繰り返しになってしまいますが、今この時代で何を感じ取るのかが重要であるような気がします。
    というか、まあ、私は「今、この時が一番面白い」と思える能天気な性格なんですね・・・。
    1. 2011/06/30(木) 23:36:38 |
    2. URL |
    3. 具象彫刻家 #-
    4. [ 編集 ]

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