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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    腕相撲。

    腕 撮影 松田光司

    まあ彫刻家をやっているから、という訳でもないのだが、腕相撲は昔からそこそこ強かった。


    強いと言っても、当然、本格的にスポーツをやっている人たちには敵わない訳だが、友達の中では強い方だったというレベル。

    さて、それこそ色々な人と腕相撲対決をやった訳であるが、なかでも印象に残る対決がある。


    それは父親との腕相撲。


    前々からふれている通り、ブロック職人である父は当然、屈強な体をしていた。
    腕も特に太いという訳ではないのだが、脂肪の全くない、鋼のような筋肉で覆われていた。

    まあ、誰でも経験あるかもしれないが、小学校、中学校と腕相撲を父に挑むのだが、ピクリとも動かず、全く歯が立たないものであった。

    笑いながら、「おお、おお、強くなったな。」と言いながらあっさり父が勝つのである。


    さて、そんな私も中学、高校とバスケットをやっていたため、どんどん筋力もついていった訳である。

    当時は、部活の練習以外にも、自宅で普通に腕立て100回、腹筋100回、背筋100回とかやっていたものである。

    さて、そんな日々が過ぎた高3のある日、久しぶりに父と腕相撲対決をやる事になったのである。

    当然、こちらは気合たっぷりな訳である。

    「よーい、始め!」の合図で、私は集中した力を一気に解き放った訳だが、・・・・何と一瞬に私が勝ってしまったのだ。

    『えっ!』と思った次の瞬間、父が「ちょい、ちょい、ちょい、待った!・・・そんな瞬発力で来られたらついていけんでな、もう一回じゃ!」ときた。

    私も正直、ビックリしたのだが、確かに父が力を入れる前に終わってしまった感じであったのだ。

    ならば、というので、もう一回じっくりと力を入れるやり方で勝負する事になったのである。


    ・・・さて、その2回目の勝負の行方はと言えば、・・・

    ・・・何と二人の腕は、全く中央から動かない。

    一回目は瞬発力で勝ったとはいえ、じっくりやったとしても勝てるような気がしていたのである・・・
    ・・・ところが動かない。

    私からするとあり得ない強さに感じたのだが、・・・ショックを受けたのは私よりむしろ父の方だったかもしれない。

    何しろ、過去の対戦では全く問題にせず、私に勝っていたのである。・・・それが、全く腕を傾けさせる事が出来なかった訳である。

    結果、引き分け。

    私としては、うれしいような、悲しいような・・・複雑な気持ち、・・・父の腕力に追いついたんだと思った瞬間、何故か父には勝ってはいけないような気持ちになったものである。


    大学では私も、高校時代とは比べ物にならないほど、より一層パワーアップした、屈強な体になっていた訳であるが、・・・実はその後、一度も父とは腕相撲の勝負をしていない。

    「勝負をしていない」というよりは、「積極的に勝負をしなかった」という言い方のほうが正しいかもしれない。


    実家に帰るたび、老けていくなぁと感じる父であるが、私の中では今も、ピクリとも動かない屈強な腕力を持つ父であるのだ。
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    1. 2011/06/04(土) 22:02:27|
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