FC2ブログ

    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    未発表の作品とは?

    庭にて 撮影 松田光司

    私は毎年、小品が中心ではあるが、およそ20~30点の彫刻作品を制作している。


    この数が多いのか少ないのかは自分では判断しかねるが、同じように具象作品をつくっている作家の人からは「随分多いですね。」と言われる事が多い。

    では、この20~30点の作品、すべて個展やグループ展で発表しているか?・・・と言えばそうでもない。

    自分で自由に好き勝手につくっている作品に限ってだが、2~3割くらいの作品が、未発表のままアトリエの片隅に眠っていたりするのである。


    ならば、それはどういった作品であるのか?


    失敗作?・・・いや、違う、これは私にとって失敗作という類のものではないのだ。


    例えば、陶芸の世界だと、釜から焼成し終えた作品を取り出すとき、『失敗だ!』と分かるとその場で割ってしまう、・・・といった事をしたりする作家もいる。

    でも、彫刻の場合は、粘土の段階でも、石膏の段階でも、それこそブロンズの段階でも、形に気に食わない所があれば、いくらでもまだ手を加え、修正していく事が出来るのだ。


    要するに、「 未発表の作品 = 未完成の作品 」という事になるのだ。

    つまり「失敗作」と言う概念そのものが私の中にはないのである。


    では、そんな「失敗作」ではないと称する「未完成の作品」はどのくらい前のものからあるのか?・・・と言われると、そうとう昔に遡ってしまう事になるのだが、
    ・・・・実に20年ほど「未完成だ。」と言ってほったらかしにしている作品があったりするのだ。

    だったらもう「失敗作」という事にして、壊せばいいじゃん、・・・と言われてしまいそうだが、やはり私の中では、誰が何と言おうと、まだ完成していないだけの制作途中の作品という位置づけになるのである。


    発表した作品も未発表の作品も、私の中では同じようにインスピレーションを受け、私の心と身体を通し、この世に形として出現させたものであるのだが、・・・本当に微妙なところで「発表」、「未発表」が分かれてしまう。

    実際、しばらく(数年)寝かせた後、少し手を加え、世に発表した作品もいっぱいあるので、そうする事が必要な類の作品であった、・・・と、自分の中では捉えるようにするしかない。


    さて、今、制作中の数点の作品、果たして、数週間のうちに完成する作品になるのか、数年かけて完成する作品になるのか、・・・それは私にも分からない、・・・神のみぞ知る。
    スポンサーサイト



    1. 2011/04/22(金) 19:23:40|
    2. 芸術
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0
    <<面倒くさい芸術家。 | ホーム | この目で確認するまでは、・・・。>>

    コメント

    コメントの投稿


    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    トラックバック URL
    http://mitsuji415.blog28.fc2.com/tb.php/367-05173e1f
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)