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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    きっかけ。

    池に映る太陽 撮影 松田光司

    このブログでも何度か、私がこの世界に入る前後の事を書いているが、よく考えてみると一つのきっかけがあった事を思い出す。


    それは確か、高1の終わりごろか高2の初めごろだったのではないかと思う。

    その時はまだ、普通科目に対する勉強の意欲も十分で、成績もそれなりには良かった頃であった。

    さて、ではその頃の私に何があったのかと言えば、・・・実はそう大した出来事ではないのだ。


    いつもと何も変わりのないある日の夕方。

    私は名古屋での用事を済ませ、自宅方面に向かい電車に乗っていたのである。

    夕方という事もあり、電車の中は会社帰りのサラリーマンであふれていた。

    仕事の帰りでみんな疲れているのであろう、座っている人たちはグッタリした様子で居眠りし、立っている人たちの表情も暗くつらそうに見えた。・・・しゃべっている人は一人もいない。

    まだ若く元気のある高校生であった私が見て感じた車内は、・・・灰色であった。

    当時の私には、そこに何の生気も感じ取ることが出来なかったのである。


    で、その時ふと思ってしまったのである。

    ・・・『私はこの中の一員になりたくない。』・・・と。


    このまま普通に順調に行ってしまえば、『5~6年後、自分の姿がこの中にあるのか?・・・』


    当然、今だったらこんな失礼な事は思わないのだが、その時はそう思ってしまったのである。

    素朴で単純な高校生であった私は、『 普通大学を卒業すれば、普通のサラリーマン 』と言う発想しか無かったため、この時から普通大学への進学に対し「 ? 」と言う考えが心の中で頭をもたげ始めてしまったのである。

    ・・・ただし、まだこの時点では美大進学など、夢にも思っていない。


    あの日、夕方の電車で感じた(感じさせられた?)小さな思い、・・・。

    当時の私では、予測もつかない事であったのだが、
    この世界へと踏み出す『 大きな分岐点の小さな一歩 』であった事は間違いがないのだ。


    そんな私も今は彫刻家となり、当然電車に乗る事もあるのだが、・・・果たしてあの頃の私にとって車内にたたずむ現在の私の姿は何色に見えるのであろうか?
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    1. 2011/02/26(土) 21:54:00|
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