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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    料理。

    お昼に作ったオムライス 撮影 松田光司

    基本的に料理は妻が作ってくれるので、楽をさせてもらっているが、当然その時々に応じ、私が作る事もある訳である。


    作るといっても『彫刻家の作る特別な料理?』などと期待されては困る訳で、極めて簡単な普通の料理しか出来ない。

    ソーメン、蕎麦、うどん、スパゲッティ、焼きそば、肉野菜炒め、チャーハン・・・等々。

    ハッキリ言うと、最初の三つあたりは、ゆでるだけのもので料理とは言わないのだが、まあそこは大目に見てほしい。

    しかし、簡単とは言え、家族からは美味しいと言われ、とりあえず合格点はもらっているのだ。


    ・・・実は、私が極めてまともな、ごく当たり前の食べやすい味付けをするのには訳がある。


    話は、私が実家にいた頃にさかのぼる。

    やはり当然、料理は母が作っていたのだが、母が用事でいない時などは、父が作る事もあった訳である。

    ・・・で、その料理というのが、・・・・すごく個性的、・・・・というか残念ながら美味しくなかった。

    もう理由ははっきりしている。

    父は鍋物のような汁物の料理が好きで、母もそういった料理はよく作っていたのだが、父がこれをやると、・・・とんでもない事になるのだ。

    つまり、ダシを取ったんだかどうだか分からないような汁の中に、冷蔵庫にある残り物をほとんど入れてしまうのだ。

    味噌味、しょうゆ味、ソース味、ケチャップ味、マヨネーズ味等々の料理の残り物を、味に関係なくすべて鍋に入れてしまうので、当然のことながら、恐ろしい組み合わせの味に仕上がってしまうのである。

    ・・・多分、世間ではこれを「闇鍋」と呼んでいるのではないか、・・・と東京に出てから気付いた。

    たいていの場合、その食卓での父の一言はこうである。

    「人が作ったもんは、『美味い』と言って食うもんじゃ。」

    『いやいやいや、それは、・・・』と思いつつ、いつもより口数の少ない食卓を早々に切り上げる息子ふたりであったのであった。


    実は父のそんな料理も一度だけ、奇跡が起きたことがあるのだ。

    料理の神が降りてきたのかと思うくらい、残り物料理の絶妙な組み合わせがあったのであろう。

    それこそ、ちょっと何味とは表現出来ないが、それは母の料理をも凌駕する未だかつて経験した事の無い美味しさであったのだ。
    当然、父も二度と作れるものではない、・・・偶然なのだから・・・。


    まあ、こんな思い出もありつつ、・・・私は結局、「奇跡の料理」ではなく、普通の味付けでそれなりに美味しい料理の道へと進んでしまった訳である。

    あの奇跡の味は、当然、・・・私も再現する事の出来ないものである。
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    1. 2011/02/20(日) 16:28:42|
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