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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    継続。

    雪の歩道 撮影 松田光司

    学生の頃、ある彫刻家の先生の手伝いをしていた時の話である。


    私と同じく具象彫刻をつくられている先生で、その時は等身大の彫刻の芯棒制作から、粘土の完成まで手伝ったのである。

    あの当時でもう70歳は越えており、やはり、話される言葉一つ一つに重みと説得力があったものである。

    大学では教えてもらえないような、彫刻家としての生の話を聞く事が出来て、本当に有意義な数ヶ月間であった。


    さて、それこそ色々なお話をして下さったのだが、特に印象に残った言葉を紹介したい。

    まだ学生である私が、将来への不安を抱え、『自分は彫刻家としてやっていけるのかなぁ・・・。』
    といったような事を口にした時、先生がおっしゃられた言葉。

    「大丈夫だよ、松田君。やっていけるかじゃなく、やってしまうんだよ。
    若い時は、誰だって不安だし、自信もないし、・・でも美大に行っているくらいだから、松田君も才能はゼロではないはずなんだ。
    要するに彫刻家になれるかどうかではなくて、彫刻家として続けていこうと強く思うかどうかなんだよ。
    どんなにものすごい才能があったって、やめたらそれで終わりなんだよ。
    でもちょっとでも才能があれば、続けてさえいれば何とかなる。
    これから松田君がやるべき事は、やめない努力をする事、とにかく続ける事なんだ。
    何としてでも続けてやろうと思う信念さえ持ち続けていれば、必要なものは後からついてくるから、大丈夫、・・・私もそうだったし。」

    こんな感じに助言して下さったのである。

    あれから20年以上経って思うことは、・・・確かに先生の言われた通りであったという事。

    自分に才能があるかどうかは別として、私が今まで一生懸命やってきた事というのは、作品制作の事を除いてしまうと、

    『作品制作を常に出来るようにするための環境作り』・・・だったのである。

    つまりそれは、何としてでも続けていこうとする強い信念のもと行動した日々の積み重ねであった、・・・という事でもあるのだ。

    もう先生も随分前に亡くなられてしまったが、今でもこの言葉は私の中で、穏やかに話される先生の柔らかい表情とともにハッキリと心に刻まれている。

    先生、ありがとうございました。・・・何とかまだ、続いております。
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    1. 2011/02/18(金) 21:54:26|
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