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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    光の重要性。

    電球 撮影 松田光司

    さて、以前にもふれた事だが、また光について。('10.6.11参照)


    彫刻というのは絵画と違って立体であるため、絵画以上に光の影響を受けるものなのである。

    前にも書いたとおり、制作時には色々光の当て方を変えながら、進めていく訳なのだが、毎回、光を変えた時の見え方の変化に驚かされる。

    ものすごく単純な話をしてしまうと、光を変えた時、何が最も顕著に分かるかと言えば、
    ・・・・『作品が未完成の部分』。

    ある一定の光の下、制作を進めていくと、ある所までは完成に近づいたように感じる時がある訳である。
    ところが、光の当て方を変えた瞬間、もしくは彫刻を移動した瞬間、作品の粗がまず真っ先に目に飛び込んでくるのだ。

    これは、本当に面白いくらいに分かりやすいのだが、逆にいうと、もし光を変えなかったら、この簡単に気付く事にさえ、もしかしたらまったく気付く事もなく、完成したと思ってしまう事があるのかもしれないのだ。


    さらにもうひとつ言っておくと、どんなに光を変え場所を変え、制作したとしても、粘土状態での限界はある訳である。
    石膏取りをして、石膏にすると、新たに気づかされる事がいっぱいあるのである。

    要するに粘土の時には不可能な、横倒しにしたり、逆さにするといったような事が出来るようになるのである。
    特に逆さにしてみた時は、粘土の時には思いもしなかった未完の部分を発見する事もあるのだ。

    このように色々な状態にして、普通光の当たらない所にも光を当てながら、手を加え密度を上げていくと、やはり作品は、数段良くなっていくのである。


    ちなみに今は、粘土で小さなレリーフを制作しているのだが、これは簡単に動かす事が出来る訳である。

    当然、完成するまでに幾度となく、横にし、逆さにし、また普通に戻し、・・・と繰り返しながら作品を完成させていく訳である。

    このように彫刻に対し、制作途中色々な光を体験させる事により、最終的には、すべてを露わにさせてしまう直射日光にも耐えうる作品として完成していくのである。
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    1. 2011/02/02(水) 19:03:48|
    2. 芸術
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