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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    作品のヒント。

    奏遠 松田光司作「 奏遠 」  h 50×18×29cm

    このブログでも何度か作品のインスピレーションが降りてくるといった事についての話を書いているが、今日はまた別なパターンの話を一つ。


    私は、まあ常にと言う訳でもないが、やはり普段から主に彫刻の事をもっとも多く考えている訳である。

    それは彫刻の発想の事だったり、手順の事だったり、仕上げの事だったり、何だかんだ漠然と彫刻について思いを巡らせているのである。

    これは別な見方をすると、彫刻に関係がありそうな事に対し、常にアンテナを張っている状態とも言える訳である。

    要するに風景や景色、人、動物などを見ている時も、もしかして何か作品に活かせないか?と言う目で無意識にみていたりするという事なのだ。


    そんな前提にたった話なのだが、数年前、駅近くでたまたま、ある物を持ったある人物を見かけた時、「これだ!」と衝撃が走った事があったのだ。

    それは寒い冬のある日、陽も傾きかけた夕暮れ時の出来事であった。

    私は所用で駅の方に出かけたのだが、人が行き交う雑踏の中、かなり遠い視線の先に突然、思わず目を奪われてしまうシルエットを見つけたのだ。

    少し暗くなりかけていたため、まさにそれは黒いシルエットとして認識された状態で私の目に飛び込んできた訳だが、それを見た瞬間、それは私がつくるべき作品の姿である、と直感的に感じたのである。

    その黒いシルエットとして認識された人物は誰あろう、結実子さんであった。

    結実子さんがマフラーにコート姿で、ギターケースを手に持ち歩いていたのだ。

    多分、というか当然、彫刻家である私以外の人は、気にとめる事もないし、どこでも見かける普通の格好であったのだが、私にはその時、その彫刻が完成した状態までイメージされていたのである。

    正直、その映像があまりにもインパクトがあったため、その時結実子さんに声を掛けたのかどうだか忘れてしまったが、当然その後、その姿でのモデルをお願いした訳である。

    その結果、完成したのが上写真「 奏遠 」と言う事なのである。

    このように日常の中にも、普通に彫刻のヒントは潜んでおり、それに気付くかどうかは、自分自身のアンテナの張り方によるものなのであろう。
    やはりこの「奏遠」はつくられるべくしてつくられた作品である、・・と私は思っている。
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    1. 2011/01/29(土) 18:44:23|
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