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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    石膏の直付け。

    不動明王制作時の芯棒 撮影 松田光司不動明王制作時の芯棒の一部。

    このブログでも、「石膏の直付け」という言葉だけは何回か登場させたが、今日はそれについて少し・・・。


    「石膏の直付け」という技法は、簡単に言ってしまうと、骨組み芯棒に対し、粘土ではなく直接石膏を使い、それをつけたりけずったりしながら作品を仕上げてしまうという方法の事である。

    この技法を用いるのは、作家それぞれに意味や理由があるので、はっきり言って他の作家の事は分からない。
    ・・・という訳で、私がこの方法を用いた時の事を少し話してみたい。


    私の場合、この「石膏の直付け」という方法を使ったのは、「不動明王」や「日本野球発祥の地モニュメント」などの、主に大きな作品の時であった。

    その理由は極めて明快である。

    単純な話、大きな作品ではものすごい粘土の量が必要であるし、当然考えられないくらい重たくなる訳である。
    必然とそれを支えるための芯棒も相当頑強に作らなければいけなくなってしまうのである。

    さらに言うなら、その大きな作品の石膏取りは、とんでもなく大変な作業になるのだ。

    その点、「石膏の直付け」ならば、芯棒さえ工夫すれば、石膏もそんなに使わなくて済むし、当然石膏取りの作業もやらなくて済む訳である。

    要するに同じ時間の中ならば、「石膏の直付け」の方が、粘土を用いるより、単なる作業の部分が短時間で済み、作品の制作の部分により多く時間を費やす事が出来るのである。
    (ちなみに、これは大きな作品の時の話で、小さな作品の時はまた別である。)


    この石膏直付け用の芯棒も、作家によって本当に様々で、「絶対にこの芯棒でなければ、」というものは基本的にない。

    簡単に言ってしまえば、途中倒れたり、折れたりしなければいい訳で、その作家によって制作しやすければそれでいいのである。

    私はとにかく重たくしたくなかったので、垂木や金網を使ってカゴのような状態をつくり、中を空洞にする事により、重くなる事をふせいでいたのである。
    また、発砲スチロールや発泡ウレタンなども上手く利用し、より軽く丈夫な芯棒をつくる事を心がけたのである。


    さて、ではこの「石膏の直付け」という方法、・・・粘土を使った「塑造」の時と仕上がりはどう違うのであろうか?


    これも作家によっては全く違うという事になるのかもしれないが、私の場合はほぼどちらも変わらない仕上がりになるのである。

    結局、私のやり方というのは、塑造の作品も石膏取りをして石膏にしてしまえば、思いっきりけずったり、つけたしたりしながら、石膏での制作を進めていく訳である。
    こうなってしまえば、やっている事は「石膏の直付け」そのものであるのだ。

    ・・・という訳で粘土から制作を始めても、石膏の直付けで制作を始めても、結局似たような所にたどり着く訳である。


    このように石膏も扱い慣れてくると、石膏の直付けをやっていても、粘土のように自由自在に形を操れる素材であるという事がよく分かる。

    今現在、私の彫刻家としての日々は、粘土、そして石膏との格闘の中、過ぎて行くのであった。
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    1. 2011/01/08(土) 19:56:43|
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