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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    波紋をつくる一滴の水。

    「麗静」と結実子さん 撮影 松田光司「 麗静 」全身像と結実子さん

    昨日は久しぶりに結実子さんに来てもらった。


    そんなに時間が経ったようにも感じていなかったのだが、前回モデルに来てもらったのは猛暑の夏。
    気付けば秋も過ぎ、すっかり冬である。

    何度かこのブログでも取り上げているが、結実子さんには「麗静」全身像の仕上げで来てもらったのである。

    「麗静」全身像は、ほとんど創作でつくっていたのだが、やはりモデルをみると違う。
    以前にも色々と書いているが、何が一番変わるのかと言えば、やはり空気感であろうか。

    結実子さん本人がアトリエでポーズを取り、すっと静かに立つだけでアトリエ全体の空気感が変わるのである。
    ・・・で、その空気感は明らかに今制作中の「麗静」全身像にも影響を及ぼすのである。

    今回はかなり完成に近い所までつくり終えていたので、本当に最終仕上げとしてモデルをお願いした訳なのだが、正直、これほど仕上がり直前の彫刻に影響を与えるとは、自分の中で想像以上の出来事であった。

    私の中だけで完結しかけていた透明感と、結実子さんが自然に発する透明感が、まさに融合した瞬間でもあったのだ。


    エムさんをモデルにする時もよくこう言う現象は感じるのだが、毎回、こう言った事がある度に、一体何が本当には変わっているのであろうか?と思ってしまう。

    物理的な話をしてしまえば、本当に0.何ミリ削っているだけなのである。
    ・・・しかし、明らかに空気感が変わる。

    これを例えるならば、たった一滴の水であっても、静かな水面に波紋を作るような感じ、・・・とでも言おうか?

    こう考えた時、まさに結実子さんやエムさんのようなモデルの存在とは「波紋をつくる一滴の水」のような存在であると言えるのだ。

    であるとすると、私の心が荒く波立っていては、「一滴の水」も何の意味もなさなくなってしまうのか、・・・と今思った。

    やはり制作時の静かな無に近いような境地というのも、重要であるのだとあらためて思う。


    結実子さん、エムさん、今年は本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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    1. 2010/12/23(木) 13:26:50|
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