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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    作品の値段設定。

    栄セントラルパーク噴水 撮影 松田光司

    はっきり言って私の作品に限らず、美術品と呼ばれるものの値段は高い。


    しかし、高いと言ってもまだ私くらいの年齢と実績では、そこに芸術的な価値があるから高い値段設定になっている、・・・とは言い難い部分があるのだ。

    例えばゴッホやドガなどの作品が数十億円と言われれば、それは基本的に芸術的価値の部分が高いのであろうと思われる。

    それに対し、私の作品の事で言えばある意味、その値段というのは実際に体を動かした労働に対する対価、・・・といった所であろうか?

    当然1点1点手作りであるし、やはり日数もかかっている訳で、日割り計算した時に最低限一日働いた分くらいの日当(×制作日数)は欲しいなぁ、と思う訳である。
    そこには芸術的付加価値の分の値段は全く考えられてはいないのだ。

    だが、それにブロンズ代などの材料費やギャラリーの取り分を上乗せして考えると、・・・高く設定したつもりはなくても、普通に高くなってしまうのである。


    しかし私などはまだ労働分までは考慮しているからいい方で、若い作家連中はもっときつい値段設定になっていたりもする。

    極端な事を言ってしまえば、労働分どころか材料費にも満たない発表値段、・・・当然ギャラリーで売れれば売れるほど赤字、・・・となってしまうのだ。

    若手を育てようと真剣に考える企画展専門のギャラリーであるならば、若手とはいえあまり安売りさせるような事はしない。

    しかし、安くても売れれば多少でも儲けがあると考えるようなギャラリーは、よくこういう言い方をして若手作家を説得してしまう。

    「まず、お客さんに作品を持って頂いて知ってもらう事が大事なんだから、安くしてでも売らないと・・・。」

    ちょっと聞くと正しそうだが、完全に作家は赤字になる訳である。
    自己満足なだけの趣味の作品を売っているならば、それでもいいのかもしれないが、若手作家とはいえ、趣味でやっている訳ではない。
    当然その赤字に対し、ギャラリーは絶対補てんなどしてくれる訳がないし、それどころか貸しギャラリーならばさらに20万、30万のレンタル料を取る訳である。

    結局、若手作家は赤字になった分また必死にアルバイトで補う事になり、作品をつくる時間がますます減ってしまうのである。

    どの作家も通った道なのだから、・・・で済ませてしまっていいようには思えない。

    とはいえ、私が若手作家に助言してあげられる事は、
    「最低限、材料費も出ないような値段設定はしない事、それとギャラリーの人が言う事が全てではない、と知っておく事。」
    ・・・こんな事くらいであろうか。
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    1. 2010/12/13(月) 22:28:42|
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