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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    「日本野球発祥の地モニュメント」作者からひとこと。

    日本野球発祥の地モニュメント  h180×101×86㎝ ブロンズ 2003 松田光司作
    「日本野球発祥の地モニュメント」  この作品は2003年、私が38歳の時に制作したものである。



    モニュメント制作途中 松田光司作
    制作風景・・・石膏の直付けと言う作業。

    もう7年近くの月日が流れ、色々な方がブログやホームページで取り上げてくださって、作者としてはうれしい限りである。
    少しではあるが、この像について語って見たいと思う。

    ○まずこのボールの握り方について
    それを話す前提として言っておきたいのが、この手のモデル。2003年当時の東大野球部キャプテンでキャッチャーである。
    プロ野球のピッチャーがいいのではという話もあったが、やはりホーレス・ウィルソンが野球を伝えた相手が学生であるからやはり学生がいいだろうと言う事になったのである。

    で、私は東大野球部の寮に出向き、ボールの握り方を取材した訳である。
    色々な、あらゆる形をためしたのであるが、やはり、決め手は自然に見える形でなおかつ美しく、そして力強く見える事。
    いくつもの候補があがった結果、この像の握り方が選ばれたのである。

    ○次にこの像のコンセプトについて
    これは除幕式の時に作ったリーフレットに書いた事ではあるが、あらためて書いておきたいと思う。
    よく見ていただけると分かるのだが、まず地球とボールを一体化して表現している。
    そして注意して見ると縫い目がアメリカと日本の上を通っている。

    当然、たまたまではなく上を通るように作ったのである。
    縫い目が丁度矢印のように方向性を表す点に着目し、アメリカから日本に野球が伝わる、と言う事をあらわそうと考えた。
    またこの縫い目はアメリカと日本の間の架け橋的な意味合いも含めようと考えた訳である。

    それでアメリカから日本の上を通った縫い目は、そこで終わらず、ぐるりと地球を1周し、またアメリカに戻っていく訳である。
    つまり、野球というのは日本だけにとどまらず全世界を席捲し、各国で広まった野球がまた母国アメリカに還元されている、と言う事をあらわしたかったのである。

    そしてそんな野球というものを日本で最初に受け止めた場所と言うのがここ、東大跡地である学士会館なのである、と言う意味を込めた訳である。

    リーフレットでは文字制限もあり「・・・ボールをしっかりとキャッチした形として表現・・・」と書いたが正確には、この場所から始まった野球というものをキャッチしただけでなく次の世界に投げようとしている像でもあるのだと理解していただきたい。


    まだ色々書きたい事はあるが、長くなりすぎたのでまた次の機会に。

    ・・・・・・・・・興味のある方はぜひ学士会館へ(神保町駅A9番出口からすぐ)・・・・・・・・・
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    1. 2010/04/23(金) 17:28:26|
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