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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    カービングとモデリングについて。

    アトリエ外のもみじ 撮影 松田光司

    カービングとモデリング・・・彫刻以外の分野でこの言葉を使う時というのは、また色々な意味があるのであろうが、当然今回は、彫刻の中で使われる意味について語ってみたい。


    まずは簡単に二つの技法の説明。

    最初にカービング。
    基本的にこれは削り出してつくっていくという行為の事。
    木に限らず、石や金属など、主に硬い素材を削り出して彫刻をつくる技法をカービングというのだ。

    次にモデリング。
    これは主に粘土で彫刻をつくる時に使う言葉である。
    当然、粘土以外でも軟らかい素材を使用する事全般を指すもので、その素材をとったりつけたりしながら制作していく事をモデリングというのである。

    さてこの二つの技法、それぞれどんな特徴があるのであろうか?

    まず一般論としていうと、・・・。
    木や石などをカービング技法で彫っていくというのは失敗が許されず、彫りすぎてしまったらアウト、・・・だから大変、といったイメージがあったりする。
    それに比べモデリング技法は、とったりつけたり自由に出来るので、いくらでもやり直しが効き、やりやすそう、・・・といった感じであろうか。


    では実際、ずーっと彫刻をやってきている私がどう感じているかと言えば、一般に思われているイメージとは少し違うものである。

    まずカービングに関してだが、当然の話、数をこなせばこなすほど彫り方が上手くなっていくのである。
    結果、彫りすぎてしまう事もめったになくなるし、あともうひとつ言えば、彫りすぎたとしても形を再構築していく術をいくつも身につけるようになっているのだ。

    と言う訳で、カービングに対し、それほど大変と感じている訳でもない。
    ミケランジェロという訳でもないが、塊に眠る形を解放してあげるワクワク感は作家誰もが感じているのではないかと思う。


    さて、一方モデリング。これはどうなのかと言えば自由すぎるだけに、逆に手に負えない側面もあったりする。

    非常に扱いやすい素材のため、形を一瞬につくる事が出来るという事もあるが、それは一瞬に壊す事が出来るという事も意味するのである。
    一度決めた形も、その時の気持ちの変化で一瞬に全く違う形に変わってしまうのだ。
    当然、それは思いがけない効果をもたらす事もあって、面白かったりもするのだが、あまりにも変わりすぎる事もあり、もろ刃の剣のような感じもしないではない。


    まあ、こんな感じで二つの技法を上手く駆使しながら、彫刻というのは完成していくものなのであるが、彫刻家を続けていく上において、やはり両方の技法を自由に使えるというのは強い武器であるように感じる。
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    1. 2010/12/04(土) 17:24:24|
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