FC2ブログ

    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    粘土状態の時のリアル感。

    首像の耳部分 松田光司作
    粘土で制作した首像の耳部分。

    彫刻家のつくる塑造(粘土でつくる彫刻)の粘土段階完成状態を直に見た事のある人はどのくらいいるであろうか?


    たぶん、この粘土完成状態を初めて直に見た人は、そのリアルさにたぶん驚くであろう。

    特に粘土でつくった人物像の皮膚感などは、ブロンズやテラコッタになってからでは味わえないリアルさがあるのだ。

    これは結局、粘土に含まれる水分量が関係していると思うのだが、たぶん人間の体を構成する水分量と似ているのではないかと思う。

    上の写真は、私が粘土で制作した首像の耳の部分なのだが、当然まだ水分を含んだ状態である。
    かなりのリアルさを感じてもらえると思うのだが、色をちょっと変えればそのまま本当の耳のように見えなくもないのではないか。

    このように水分を含んだ状態の粘土というのは本当に妙になまめかしい感じがあるのだ。

    彫刻を石膏やテラコッタやブロンズにしないで、このみずみずしい粘土状態で保存出来ないものかと思うが、中々そう上手くはいかないものである。

    制作時というのは粘土が乾燥しないように霧吹きで水をかけながら制作し、1日が終わる時にはビニールで保護をする。
    これを永遠と繰り返せば、一応みずみずしい粘土状態を保ち続けるのだが、途中にはカビもはえるし、あまり長いと中の芯棒の木も腐ってしまう。あと、何といっても持ち運びの時にまず壊れてしまうだろう。

    やはり、石膏やブロンズ、テラコッタなどに置き換えないと長期保存は難しいのだ。

    という訳で、彫刻家のつくる粘土状態の作品というのは、やはりごく一部の人にしかみる事の出来ない特殊な状態であるのだ。

    写真でどの程度伝わるのか分からないが、この写真を見て、粘土状態のリアル感を少しでも想像して頂ければと思う。
    スポンサーサイト



    1. 2010/10/13(水) 09:00:00|
    2. 彫刻
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0
    <<モデルのある作品と、モデルのない作品。 | ホーム | 忙しい時。>>

    コメント

    コメントの投稿


    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    トラックバック URL
    http://mitsuji415.blog28.fc2.com/tb.php/197-20dcfbbc
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)