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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    変わった言葉を話す芸術家?

    多摩動物公園にて 撮影 松田光司

    言葉の表現の事なのだが、人から指摘されるまで全く気付かず、結構無意識に使っている表現が色々とある。


    これは私個人だけがという話ではない。いわゆる芸術家と呼ばれている人全般であろうと思われる。

    それは、例えばこんな事である。

    日本橋三越本店で個展を開催した時、ギャラリートークをする事になっていた。

    それで私は「素材と形」の関係について30分ほど色々と話した訳だが、その話の流れの中で、
    「・・・石や木などの素材が勝手に主張し、何も手を加えなくても色々と語ってくれるので、・・・」
    というような事をしゃべったのである。

    すると、後から間接的に聞かされた話なのだが、それを聞いていたお客さんの一人が、「さすが芸術家、『素材が語る』とは全く訳の分からない事を言う。」と感想を漏らしていたらしいのだ。

    確かに、冷静になって考えれば『素材がしゃべる』訳がない。全く頭は大丈夫か?と思うような発言である。
    要は、素材から温かみや、冷たい感じや、重たい感じなどを、自分は感じ取っている、と言いたいだけなのだが、ついつい上記のような表現になってしまうのである。

    こんな調子なので、大学で教えはじめた初期の頃、「先生の言っている言葉の意味がさっぱり分かりません。」と学生に言われた事もある。
    その時の内容は、詳しくは忘れたが、
    「・・・この像の右側の空間の張りと緊張感はすごいけど、それが左側の空間と結びついていない所が惜しいね、・・・」
    みたいな事を言っていたと思うのだが、こうやって文章に書くと『何言ってんだ、このおっさん?』と思うのも当然かもしれない。

    よく考えてみると、自分も高3で美術系予備校に通い出した頃、同じように感じていたんだなぁ、という事を思い出す。

    講師:「松田の描くデッサンには像が立っているんだという迫力と勢いがなくて、空間に動きがないんだよ。」
    私:「??????。」
    講師:「分かるか?」
    私:「??えーと、線を傾けて描けばいいんですか??」

    こんな調子であった。

    慣れ切ってしまうと、結構忘れがちな事だが、なるべく分かりやすい言葉でしゃべろうとあらためて思うものである。
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    1. 2010/10/09(土) 11:31:34|
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