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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    彫刻の中は空洞?

    「夢奏」の裏側 松田光司作ブロンズ作品 「 夢奏 」 の裏側から見たところ。

    彫刻の中側について意外と知られていないのでちょっと簡単に説明を・・。


    まず彫刻というと普通の人は、石や木の素材を使って彫ったものを彫刻と思う事が多いようである。

    あとはブロンズ(銅)で出来たものも彫刻と思っているのだが、それも銅のかたまりを彫ってつくったもの、と考えている人もいるらしい。

    要するに彫刻とは中身まで詰まっていて無垢な素材であると思う人が圧倒的に多いという事なのだ。

    それで、「粘土でつくったものも彫刻なんですよ。」というと結構驚かれたりするのである。

    ちなみに粘土でつくられたものはその後どうなるかと言えば、主に次の2つのパターンがある。

    ・石膏取りという作業を行い、石膏作品(もしくは樹脂作品)にした後、ブロンズ屋さんに持っていき、ブロンズ作品する。
    ・粘土作品の中身を掻き出し、厚さ約1cmにして乾燥させ、焼成し、テラコッタ作品にする。

    この2つのパターンに共通して言えるのは、どれも中身が空洞であるという事。(ただし10㎝前後の小品は無垢にする事もある。)

    それぞれに理由はある。

    まず、石膏。
    単純な話、無垢では重くなりすぎる。特に人体など細い足で立たなければいけない彫刻などは重さの負担が大きく芯棒を入れていても足首が折れてしまう。
    あと、石膏を乾燥させたい時に無垢では中々乾燥もしないし、逆に水分を含ませる時にも時間がかかり過ぎてしまう。
    という訳で、石膏作品の中身は空洞、やはり厚みは1cm前後位か。

    次にブロンズ。
    これも当然だが、無垢では重すぎて、それこそ首像くらいの大きさでも一人では動かせないくらいの重さになってしまうだろう。
    あと作業上も、無垢で銅を流すと、亀裂やひずみ、表面が荒れるなど、上手くいかない事が多いようである。
    という訳で、ブロンズ作品の中身は空洞、厚みは大きさにもよるが、3ミリ前後位か。

    そしてテラコッタ。
    テラコッタというのは焼成するため、少しでも粘土作品の中に空気が残っていると、それが熱で膨張して、爆発してしまうのだ。
    そのため、作品の中身を掻き出し、少しでも薄くする事により、空気が入っている危険性を減らすのである。
    という訳で、テラコッタ作品の中身は空洞、厚みは1cm前後位か。

    ちなみに全てという訳ではないのだが、木で彫られた作品も時間の経過によるひび割れを防ぐため、中をくり抜き、空洞にしている場合が多い。

    以上のように、それぞれの理由があり、「彫刻の中は空洞」となっている事が多いのだ。
    (ただし彫刻に対する想いまで中身がスカスカという事はないので、ご安心を・・・。)
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    1. 2010/10/05(火) 09:46:51|
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