FC2ブログ

    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    人形作家、与勇輝さん。

    学士会館個展会場「奏楽の間」撮影 松田光司 2004年 学士会館 松田光司個展会場 「奏楽の間」

    今月の中旬ごろであったが、松屋銀座で開催されている人形作家の与勇輝さんのオープニングレセプションに招待されていたので、足を運んだ。


    与勇輝さんとの出会いは、もう6年も前の話になる。
    私が学士会館で個展を開催した時に、知人の紹介でわざわざ会場に来て下さったのだ。

    忙しいと思われる中、1時間以上かけて熱心に作品をみて下さり、その後ソファーに座り30分ほどお話をさせていただいたのである。

    当然与勇輝さんの事は一方的に存じ上げていたのだが、お話をさせて頂くと本当に謙虚で素朴な方であった。
    『ああ、やっぱりあのように心癒されるような作品をつくる人というのはこんな人なんだ。』と妙に納得したものである。

    思い起こせば、まだ面識のない頃、やはり松屋銀座で与勇輝さんを見かけた事があるのだが、その時はものすごく不安そうな心配そうな顔をされて、自分の展覧会の出口から出てくるお客さんたちの反応を10mくらい離れた所からこっそり覗いておられたのだ。
    私はすぐ気付いたのだが、誰に気付かれる事もなく、売り場にそっと立つその姿は、何だかクスッと笑えるほほえましい光景であったと記憶している。

    さて、そんな控え目でお茶目な与勇輝さん、色々な事をお話してくださったのだが、中でも印象に残っている言葉が、・・・

    「私はデッサンを習った事がなくてデッサンを描けないんですよ。」との事。

    最初は謙遜してそうおっしゃっているのかと思ったのだが、どうもご本人の中では本当にそうであるらしい、という事がお話を聞いていて分かった。

    それで感じたのは、逆にデッサンを描けない事で、作りたい形を心に焼き付けるイメージ力がものすごく強いのではないか、と思った訳である。
    正直、実際のデッサンが描ける、描けない関係なく「デッサン力(見切る力)」がなければ、あんなすごい人形が出来る訳がない。

    与勇輝さんのつくる「立ちポーズ」の人形がなんの支えもなく、足の裏だけで自立するのは「デッサン力」のある何よりの証拠である

    この学士会館での出会い以降も、何回か私の個展に来て下さったりと、このように交流が続いているのは本当にうれしい限りである。

    オープニングレセプションでは皇室の方をはじめ、マスコミ、芸能人がいっぱいでとても華やかであったが、何となく照れ臭そうにされている与勇輝さんをみて、早く自分のアトリエでホッとしたいのだろうなぁ、と勝手に思ってしまった。

    若輩の私がわざわざ言うのも僭越であるのだが、作品は本当に素晴らしく、見応えは充分。
    松屋銀座8階、10月4日(月)が最終日だそうです。ぜひ足を運んでみて下さい。
    スポンサーサイト



    1. 2010/09/27(月) 11:58:35|
    2. 日常
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0
    <<一つの作品から、二つ、三つと・・・。 | ホーム | 教える人の影響。>>

    コメント

    コメントの投稿


    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    トラックバック URL
    http://mitsuji415.blog28.fc2.com/tb.php/181-56591014
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)