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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    男性、女性それぞれの反応。

    創人(部分) 松田光司作「 創人 」 (部分)

    ちょっと前の話になるが、たまたま同時期にある二人の銅像を制作した時の話である。


    一人は女性、一人は男性である。

    まったく別な経路の仕事であったので、それぞれのペースで、それぞれにあった手法を用い、制作を進めていった訳である。

    ちなみに御二方とも元気でパワー溢れるご年配の方であった。

    さてここから、それぞれどんなやり取りがあったのか少し書いてみたい。

    まずは、男性。
    「私は色々な偉い人が銅像になったものを見てきたが、似てないのは駄目だ!勝手に美化してもらっては困る。誰がどう見ても私だと分かるような銅像をつくってほしい。」
    「分かりました!私が最も得意とする所です。それこそしわの一本まで再現するくらいの気持ちで制作させて頂きます。」
    「ぜひ頼むよ、よろしく!」

    まあおおよそこんな会話があった訳である。
    で、実際かなりリアルな所まで作り込み、ご本人からは大いに満足したとの評価を受けた訳である。


    さて一方、女性は?
    「まず、どんなポーズがいいか数種類のポーズを取ってもらいましょう。」と、画商さんの提案。
    それで色々とポーズを取ってもらい、それをもとに銅像になった状態をイメージしたデッサンを数枚私が描く事になったのである。

    数日後にデッサンを完成させ、画商さんが女性にそれを見せた所、その女性は「どのポーズがいいか」というところには全く関心を示さなかったそうである。
    では何にもっとも関心を示されたのであろうか?

    ・・・それは「顔」・・・もっとも顔が若く描いてあるデッサンはどれかしら?・・・という事であったらしい。

    画商さんが何度も、「どのデッサンを選ばれても、彫刻では同じ顔になりますから、どのポーズがいいかで選んで下さい。」と言っても、結局一番若くみえるデッサンのポーズで制作する事が決まってしまったのである。

    まあ、当然彫刻では実際より若い頃をイメージして制作した訳だが、やはりご本人にものすごく喜ばれたのであった。


    たまたま同時期に制作した男性、女性、それぞれの銅像。
    みんながみんなこういう考え方をしている訳ではないが、何だか好対照で本当に面白い体験であった。
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    1. 2010/09/24(金) 21:50:26|
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