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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    命拾いした話。

    イメージ画像 撮影 松田光司

    人生45年も生きていると誰でも命拾いした話の一つや二つあるのかもしれないが、やはり実際体験すると、もう二度と経験したくないと思うものである。


    それは大学4年の時のはなしである。

    その日は普通に授業のある日だったのだが、朝から車で友達と一緒に関ヶ原の石材屋さんへ石を買いに出かけた。
    朝早く東京を出発し、2人で交代しながら東名高速を走ったのである、

    道も混む事もなく順調に車を走らせていたのだが、それはたまたま私が運転している最中に突然起こってしまった。

    丁度、日本坂トンネルを抜けた瞬間である、・・・・『バーンッ!!』と大きな音がした。

    一瞬、何かを踏んだのかと思ったが、次の瞬間、車体が大きく右に左に揺れ出した。

    バースト(タイヤのパンク)である。

    『やばいっ!』と思い、まずハンドルをしっかりと固定しながらポンピングブレーキ。
    ・・・が、車体のゆれはすぐには止まらない。追い越し車線を走っていたので、右側のガードレールが何度も眼前に迫る。
    後ろからは走行車線、追い越し車線両方から無数の車が迫ってくる。

    左にウインカーを出しながら何とか車を制御、スピードも徐々に緩まり、後ろの車も危険を回避しながら、1台また1台とぬかしていってくれた。

    ・・・・そして無事、路肩へ。

    一瞬の出来事であったが、思い出すとスローモーションのように長い。右側に迫るガードレールが今も映像として残る。

    とにかく無傷で、周りに二次被害も出さずに済み、本当にホッとした訳だが、本当の恐怖はそれからであった。

    全ての用事を終えた次の日、大学に行くと、友達に会うなりこう言われた。

    「松田、昨日大丈夫だった?」  「えっ何で?」
    「実は昨日さぁ、午前中の10時過ぎくらいに、誰も近づいていないのに、いきなり松田がつくった首像が『ゴトッ』って大きな音を立てて倒れたんだよね。アトリエで制作しているみんなが驚いて振り返るくらいだったんだ。その時、『あれ、松田大丈夫かなぁ、今日関ヶ原行くって言ってたけど、今頃日本坂トンネルあたりだよな・・・。』って思ったとともに、『芸大生事故で死亡』っていう新聞記事までイメージで浮かんじゃったんだよ。」との事。

    全く何と言うことであろう!
    バーストしたのはまさに午前10時過ぎ、しかも倒れた石膏の首像を確認したが、どう見ても自然に倒れるとは思えない形であった。

    あの時、一瞬死ぬかもしれないと感じた思いはやはり本当だったのだ!・・・でも生きている。

    この出来事を私はこうとらえた・・・『使命を果たすまではまだ還るな。』・・・という事なのであろうと。

    こんな出来事があったから、という訳でもないが、今日もまた彫刻制作が出来る事を感謝しつつ、作品と向き合うのであった。
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    1. 2010/09/13(月) 11:03:20|
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