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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    役不足の話。

    奏遠(後ろ姿) 松田光司作 
    「 奏遠 」(後ろ姿)  学士会館個展会場より

    私が学生の頃、同じく学生だった従兄から聞いた話である。


    当時、従兄はあるファストフード店でアルバイトをしていた。

    彼はまわりから比べても能力が高く、要領もいいため、あっと言う間に仕事を覚え、しかもスピードもどんどん速くなっていったそうである。
    その時、ほぼ同時に入った同じく学生のアルバイトがいたらしいのだが、その学生は不器用で、要領も悪く、仕事がものすごく遅くしか出来なかったとの事。

    さて、ここで普通考えると、店側の評価は従兄の方が高く、要領の悪い学生は、ちょっとなぁ、となるはずである。

    ところが、何と要領の悪い学生の方が、評価が高かったらしいのだ、・・・・・何故か?

    理由を聞いて笑ってしまった。要はこういう事である。
    その学生はあまりにも要領が悪いため、何を頼まれても汗をかきながら必死にやっていたのである。
    失敗も多いのだが、とにかく必死なので、まわりからはものすごく一生懸命仕事をしているように見えていたらしい。

    かたや従兄はと言えば、とにかく仕事が的確で無駄な動きをしないため、あっと言う間に自分がやる分の仕事を終え、のんびり休む時間も多かったというのだ。

    さて、この状況、パッと二人を見たらどう見えるか?
    一人の学生はわき目もふらず、休憩する事もなく必死の形相で仕事、かたや余裕の表情でしょっちゅうタバコを吸いに休憩にいくのである。

    本当の意味で、店に損害を与えているのは、従兄ではなく、その学生の方なのだが、「あいつはまたサボりに行っている。」みたいな目で見られていたそうである。

    まあアルバイトというのは仕事も決まっていて、ある程度以上の事はやらせてもらえないので、こういう現象が起きても仕方ないのかもしれないが、明らかに従兄にとっては「役不足」、その学生にしたら「力不足」という事であったのだ。

    人は自分が一番力を発揮できる場所というのが必ずあるはずである。大きな言い方をすれば天から与えられた使命を果たす場所。

    そこにたどり着くまで、当然色々な経験を積めばいいと思うのだが、本当に強い信念さえ持っていれば、やがてそちらの方に行かされてしまうような力が働くのだと思う。

    ただひとつ思うのは、やがて何かの世界で頭角を現すような人というのは、下積み時代の無関係な仕事においても、何かしらキラッと光るような足跡を残していくような気がする。

    ちなみに従兄はその後、ある会社に就職し、営業部門でものすごく優秀な成績をおさめ続けている。
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    1. 2010/09/10(金) 12:31:38|
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