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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    作品を初めて二つ並べてみた時。

    羽生の空 撮影 松田光司

    以前「透明感というキーワード」と言う話をしたが、それに関係する話を、ふと思い出したので書いておきたい。


    それこそ「透明感」などという言葉など、まったく浮かびもしない大学3年生の時の話である。

    しかし私は「ある状態」を目のあたりにした時、かるく興奮状態になった事を記憶している。
    ・・・・その「ある状態」とは?

    当時、作品と言うのは等身大の大きな作品ばかりつくっていたので、小品はほぼ無く、作品の点数もとても少ないものであった。
    しかも発表する機会もほとんど無く、作品はアトリエの片隅や廊下においやられていた。

    そんな中、大学祭(芸祭)が開催されたのだが、3年生は作品展示係となっていたのである。
    毎年、思ったほどは作品が集まらないので、展示担当の3年生は2~3点出品したりしていたのであった。

    私も折角だからと思い、等身の裸婦像2点を出品する事にしたのである。
    ・・・で、アトリエでそれぞれの作品に、少し色を塗ったりしてきれいに整えた訳であるが、その時はまだ気付いていなかったのである・・・展示空間に持っていくまでは・・・。


    さて、その展示空間に作品を2点並べてみると・・・なんと、彫刻のまわりの空気が動いて見えるではないか!

    『なんだ、これは!1点だけでみている時は全く分からなかったけど、2点並べた時のこの空気感は何なんだ!』

    何と表現していいか分からないが、その時私が感じた感覚をもっとも近い言葉で現わすならば「彫刻のまわりを涼しげな風が、音も立てずにゆったりと流れている。」と言ったところであろうか?

    作品をつくっている時には、当然「形」と言うものを強く意識しながら制作していく訳だが、この展示をきっかけとして、「形」プラス「形のまわりの空気感」と言うものにも目を向けるようになったように記憶している。

    今、その空気感の事を「透明感のある空気」と呼んでいるが、学生の時感じたあの衝撃は今でも鮮明な画像として深く心に残っている。
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    1. 2010/08/20(金) 10:39:50|
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