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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    お盆になると思いだす事。

    庭に咲く花 撮影 松田光司

    あの頃は本気で腹を立てたりもしたが、今となってはいい思い出である。




    もう数年前に亡くなってしまった祖父(100歳没)と祖母(91歳没)。
    まだ二人が元気な頃は毎年、盆と正月は親戚が集まる事になっていた。

    二人ともとても長生きしてくれたので、私が彫刻家として活動し始めてからも盆、正月の集いは続いていた。
    しかし、当然、学生の頃のように時間が自由に取れる訳でもなく、みんながいる時に行けない事もあった。

    その時の話である。

    祖父は元気であったが耳だけは遠く、電話では全く話が通じなくなっていた。
    そのため私は今年のお盆はみんなのいる時に顔を出せないと、親戚の叔母を通じて祖父と祖母に伝えていた。

    するとその時の祖父の反応はこうであったらしい。「光司が来ん訳がないやろ。(叔母に向かい)おまえは何を言うとるんじゃ。いい加減な事を言うな。」・・・・と、私が絶対来るものと思っていたらしい。

    言い方は悪いが、まさに明治生まれの頑固じいさん、と言った感じであった。

    その話を叔母から聞いた私は、これは2~3日遅れてでも祖父の家に顔を出した方がいいと判断し、仕事を何とかやりくりして祖父の家に遊びに行ったのである。・・・・ところが、最初はうれしそうな顔をしたのだが、その後、2時間にわたる説教。

    何しろ2時間である、・・・長い。

    いろいろ言い返したい事もあったが、当時すでに90歳くらいの祖父にかなう訳がない。
    その時は本当に腹も立ったりしたが、祖父の考えの中での正論である、・・・妙な説得力があったりもするのだ。

    その後、祖父と祖母が元気な内は必ず盆と正月の集いには顔を出すようにした事はいうまでもない。

    もう親戚のみんなが集まる機会もなくなってしまったが、私の心の中にある祖父と祖母の家では、あの説教の記憶とともに賑やかなお盆の風景が今でも広がっている。
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    1. 2010/08/09(月) 10:37:11|
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