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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    社会不安と展覧会。

    川風 松田光司作「 川風 」 1995年5月ギャラリーシエール第2回個展より

    これは実際に経験した話である。
    今から15年前、ギャラリーシエールでの第2回目個展開催時(1995年5月)の話である。



    第1回目の個展ではお客さんの入りも良く、売り上げも良かったので、期待を込めての宇都宮入りであった。
    ところが、ギャラリーのスタッフが何故か元気がない。

    「どうされたのですか?」と私が聞くと、「実はここ数カ月急にお客さんの数も減って、売り上げも落ちたんですよ。」との事。

    「また、何故?」という問いに対し、答えはちょっと驚くものであった。

    まず、第一段階として、1月に起きた阪神大震災。
    そして、第二段階として、3月に起きた地下鉄サリン事件。

    この2つの大きなニュースに見事に呼応するように、お客さん、そして売り上げが激減したそうである。

    「このギャラリーという空間は、心の潤いや安らぎを与える場所であるはずなのに、・・・・社会全体に対する不安感と言うものは、こういうところへ人々の足を運ばせなくしてしまうのか!」

    今でこそ、そうなんだよなぁ、と思えるが、当時の私からしたら結構ショックな現実を見せつけられた感じであった。

    実際、私のその時の展覧会はお客さんも少なく、売り上げも少ないまま終わってしまったのである。
    (シエールでは計9回個展を開催しているが、私の中で一番最低の数字として記録されている。)

    その後、似たような話はあちらこちらで、私の耳にも入り、実際こういう事はあるものなのだと妙に納得させられたものである。

    とはいえ、我々のやっている事は本来、こんな時にこそ、もっとも人々に求められるべき世界のはずである。

    その時、来て下さったお客さんからは、「あーやっぱり、みに来て良かったわぁ。本当に元気をもらったわ!」というような声も多数聞く事が出来ているのである。

    こういう方々がいる限り、どんな社会状況であれ、我々は作品を通し大事な何かを伝え続けなければと、あらためて思ったものである。
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    1. 2010/07/15(木) 13:30:30|
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