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    彫刻家 松田光司のひとりごと―思いつくまま―

    彫刻の制作をしながら日々思いつくことを書きとめる。

    「不動明王 」制作。part2

    「不動明王」石膏原型(部分) 松田光司作
    「 不動明王 」(石膏原型・部分)像高3m20cm

    さて、昨日の続き、いよいよ本制作の開始。




    何しろこの大きさ、初めてである。
    学生の頃つくった一番大きな作品でも高さ2m10cm、今回は全体で高さ5m60cm、恐ろしく大きい。

    場所は自分のアトリエではとても出来ないため、仏像制作会社の駐車場を借りる事になった。
    鉄パイプと半透明の波板で屋根と壁を作ってもらい、簡易アトリエ完成。ちなみに場所はなんと新宿である。

    そしていざ、制作。
    まず、方法論から考えたのであるが、粘土でつくった後、石膏取り、と言うのはとてつもなく時間がかかり、間に合うイメージがわかない。・・・で結局、発砲ウレタンに石膏直付け、という方法論を取った。

    これが大正解で、かなりいいペースで制作は進んだ。
    とはいえ、ひとりではとても無理で、大学の友達や妻に手伝いをお願いしての制作であった。

    5月から始め、しばらくは良かったのだが、大変だったのが夏。
    当然クーラーはないし、半透明の波板は太陽光を通し、熱を上げるばかりで全く涼しくなる事はなかった。

    何だか不動明王をつくっているのだか、修行をしているのだか、と思えるような日々が続いた訳である。

    こうして苦労しながらも10月ごろには無事、石膏原型すべて完成させた訳だが、なんとすばらしい経験が出来たことであるか!
    未体験の領域であったが、この時、自分の物としたノウハウは今でも貴重な財産となっている。

    完成時には私も27歳になっていたが、今考えてみても、よくこんな重大な仕事を大学出たての若造に任せてもらえたなぁと驚くばかりである。
    その時、決断して下さった画商のFさん、仏像制作会社社長のKさんには心の底から感謝である。

    さてそんな「不動三尊像」、江の島の頂上にある「江の島大師」という名前のお寺に御本尊として安置されています。

    近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄り下さい。
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    1. 2010/07/08(木) 10:24:38|
    2. 彫刻
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:1
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    コメント

    Re: 懐かしかったです。

    > あの不動明王が気になってネットを見ていたら松田さんのサイトにたどり着きました。お元気ですか?あまりお話した記憶はありませんがとにかく大変ないい仕事ぶりでした。僕はあの新宿の駐車場では作業せず江ノ島の現場での仕事でしたが完成の日には光背の裏に書かれた松田さんの名前の横に自分の名前を書いていただきました。いい思い出です。今は当初の彩色による荘厳さは陰を潜め真っ黒ですが、さすが暗闇に浮かぶご尊顔は迫力があります。時を見て生きているうちにすす払いに行きたいと思っています。老後のライフワークでもいいかもしれないです。お邪魔しました。


    いやー本当にお久しぶりです!コメントありがとうございます。もうあれから18年も経ってしまいましたが、不動明王制作は私にとって本当に忘れられない仕事となっています。あらためてお礼を言わせて頂きますが、本当にきれいに彩色して下さってありがとうございました。光背の裏に二人の名前を並んで書いて頂けた事、私もとても光栄に思っております。あれから何回か江の島に足を運んでいますが、すっかりご本尊としての風格が出て、作者の手を離れた存在になったのだなぁと実感しています。
    1. 2010/08/20(金) 09:49:15 |
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    3. 具象彫刻家 #-
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